少し閲覧注意です
ぼろにゃんはわたしにとって、人とネコの命の重さなんて関係ない。と教えてくれたネコです
ぼろにゃんとの出会い
とても寒い2月の時期、買い物の帰りに自転車をこいで自宅に帰っていると、進行方向の前方に茶色い毛玉が見え、それがすぐにネコだという事がわかりました
誰かが捨てたマフラーの上で暖をとっている様子
ネコ好きなわたしは勿論そのネコに興味が出るため確認しにいく
ん~?
近付いてわかった事はそのネコは両目が膿で塞がっており、体毛も抜け落ちていたり、体中の皮膚が病気で硬く像様にガチガチ固まっていて、まるで死を待っている様に見えました
想像していた可愛いネコとは180°違いましたがすぐに「この子死ぬ前にお腹は膨らませてあげたい」と強く思い黒缶を買ってきて、その動かないネコに与えました
茶色いネコはお腹が空いていたのかしっかりとがっつき気味で食べていました
なんかこの子、食べ辛そうだなぁ~と思って、猫缶を素手でつかみ指の先をご飯の様にしてその子の目の前に差し出しました
そのネコは目が見えていないからか、ウェットフードではなくてわたしの指を噛んできました
噛まれてわかった事はそのネコは歯も抜け落ちていて、缶のままだとゼラチン部分位しか食べられなかったみたいです
不憫に思ってその子が食べやすい様に、残りのウェットフードを細かく食べやすい様にほぐして食べさせました
あー良かった。ご飯食べてくれて!と少し嬉しい気持ちになってその場を去ろうとすると
目も塞がって視界が見えていないネコがわたしの後を「にゃお~ん」と鳴きながらわたしの後ろについてくる
最初は「偶然かな?」と思って自転車を押して歩いて離れようとしたら「にゃぁ…」
と悲しそうな切なくなる声で後ろについてくる
そのまま保護してあげたかったけれどこのネコは沢山の病気を持っているだろうし、
一番目に来たネコが家にはいるのでこのまま保護をしてしまうと、
うちの子に病気が移るかもしれない。なんて事を思っていました
「離れるのは惜しいけど、連れて帰る事は出来ない」
猫缶を食べている間に家に帰りました
仕方がない。悪く思わないでくれ。と思いながら
家に帰ってからも、あのネコは大丈夫だろうか…どこかで休んでくれているだろうか…?
などと悶々と考えてしまい、結局その日の夜にまたそのネコの所に様子を見に行ってしまいました。
昼頃に見た場所とは違う金網フェンスの向こう側で眠っていました
疲れているのか、眠いのか呼びかけたりご飯を上げても近付いてきません
まぁ、今はそういう気分ではないのかな。と思ってその日は帰る事に、その日は眠りました
朝起きたら雪がふっていました
突然の大雪であのネコの事が心配になってくる
住んでる地域は年に一回降るか降らないか位の場所なのに、
外を見ると雪が積もっていました
いても経ってもいられなくなり、
すぐに昨日いた場所へと向かいました
昨日の昼間いた同じ捨てられたマフラーの上でそのネコはうずくまっていました
その光景を見た時このネコはこのまま寒さに耐えながら
徐々に弱って死んでいくのか…
などと考えているとどうしようもない気持ちになり、
近所のホームセンターでキャリーバッグを買いそのネコ保護して病院に行きました
この子がちょこに移るような重大な病気でなければうちの子にしよう
保護したネコの病院での検査の結果
結果は猫エイズ反応陽性、既に発症しており、白血病にもなっている
その上に疥癬や皮膚病も酷く、一緒に飼う事は無謀だという事を知りました
困った…せっかく家の子にしようと思ったのに、これじゃあ「ちょこ」にも猫エイズがうつる可能性もある…
散々考えた結果ですがわたしはそのボロボロの猫の為に、
柵などで簡易でケージを作り更にその上からゴム製のテーブルクロスで覆うようにして
「ちょこ」と接触出来ない簡易的なケージを作り、その中で過ごしてもらう事にしました
うちで飼う事は出来ないからという事で
Twitterや沢山のSNSを利用して里親探しをしたりしていました
Twitterを使い文章書いて拡散しました
知らない人が沢山リツイートをしてくれて励ましのメッセージなどがきて、
案外すぐ見つかるかも!?
なんて期待していました
しかし現実はそんなうまくいくはずもなく、
こんなボロボロで病気だらけの猫の飼い主になってくれる人はそうそう現れる事はありませんでした
動物愛護団体に幾つか電話をしてみても、悲しい所だと
安楽死させる事をオススメしますよ。
とまで言われました
わたしはその日から毎日SNSを使い
ネコの貰い手になってくれる人を探していました
勿論見つかる事はありません
困った…こんな狭いケージじゃなくてもっとのびのびした所で暮らして欲しいのに…
ボロボロのネコは妙に甘えたな子でご飯やお水をケージの中に入れると
頭をグリグリ押し付けて喉を鳴らしながら甘えてくるようになりました
そのボロボロのネコをいつしかわたしはぼろにゃんと呼ぶようになりました
甘えたがりなぼろにゃん
ぼろにゃんはとても甘えたがりで、ご飯をあげる時やトイレを掃除する時は必ず
撫でて~!構って~!と甘えてくる子でした
その時は勿論応えてあげていたのですが
ケージの外に出すとちょこと接触する恐れがあるので
満足に甘えさせてあげる事は出来ませんでした
そんなぼろにゃんが唯一甘えさせられる場所はお風呂場でした
疥癬や皮膚病で文字通りボロボロだったのでニオイも酷く、
部屋の中が酷いニオイになっていたので定期的にぼろにゃんをお風呂に入れなければなりませんでした
勿論、ネコは水に濡れるのを嫌うのでお風呂にいれると凄く嫌がります…
かわいそうだけれど、身体を洗いニオイと古くなった皮膚を落としていかないと、貰い手が決まった時に少しでも綺麗な姿で…と身体を洗っていました
お風呂上がりはぼろにゃんの身体をドライヤーとタオルで乾かしています
乾かしおわると私も服を洗濯して、お風呂に入るので、その時ばかりはぼろにゃんが甘えたいだけ甘えさせてあげました
見た目は本当に酷いぼろにゃんに回復の兆しが
わたしが保護したお陰が保護した時から体重も1キロ程増えて肌ツヤもよくなり、塞がっていたと思われる目も開いてきました
片方の目は潰れいたものの、もう片方の目は視力もありました
このまま狭いままだけどずっとこの子と暮らしていく事が出来るかも?
いや、もしかしたらこの子の病気が治って優しい飼い主を見つける事が出来るかもしれない
病院に通っていても、普通のネコは怖がってキャリーに入れられて知らない所に連れて行かれ、獣医さんが出てきたら大パニックなのに、
ぼろにゃんは病院に行ったら獣医さんに対しても
頭をゴツンゴツンぶつけて喉を鳴らしてスリスリしていました
見た目は酷いけど、ぼろにゃんは人間が大好きなのかもしれない
それから一週間位してか、仕事に行く前にぼろにゃんのケージを覗いてみると余りご飯を食べた形跡がない
水は空っぽになっているのに、ご飯には余り手を付けていない
食欲がないのかな…?
なんて思っているとそれからみるみるうちに元気がなくなっていき、
2日後にはグッタリしていました
これはまずい…と思い病院に行き、調べてもらいました
病衣でわかった事は腎不全になっているとの事でした
その時のぼろにゃんの体重は2.8キロになっていて、
保護した時より100g程体重が体重は軽くなっていて、
もう自分の力で水を飲む事も出来ない位に衰弱していました
点滴を受けさせて水分を補給させて帰ってきても、うずくまって動かない
なぜか今日はいつもよりケージから出してと鳴いている
悲しい鳴き声をあげながらケージの外に出たいと鳴いている声を聞くと
自分という人間の無力さを痛感しました
次の日、朝方にウェットフードのご飯を入れてあげると
昨日の点滴の効果があったのか、少しだけご飯を食べてくれました
これで元気になってくれたらなぁ…と思いながら仕事に行くきました
仕事中も仕事が終わってから帰る時もぼろにゃんの事で頭がいっぱいでした
帰るとぼろにゃんがケージの中で冷たくなっていました
その場で崩れ落ち、鳴きながら名前を呼びかけていると
耳が少しだけ、本当に少しだけピクピクッと動かしてくれました
レンジで蒸しタオルを作りぼろにゃんの身体に巻きつけて
冷たくなっている身体を温めましたが、そこから反応はありません
ぼろにゃんが死んだという事を突きつけられました
ぼろにゃんは保護した近くの公園の桜の木の下に埋めました(当時貧乏過ぎて、霊園につれていく事も出来ませんでした…)
ぼろにゃんを保護してから一ヶ月しか一緒に暮らす事が出来なかったけれど、
一ヶ月の間でぼろにゃんの存在はかけがえのない家族になっていました
こっちでは満足に甘える事が出来なかったから、
向こうでは沢山甘えさせてくれる人の元にいてほしい
また、ぼろにゃんがうちに来てくれるのなら
今度は気の済むまで甘やかせてあげようと思っています
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