22歳の猫が天に召されそうなので、その子の思い出を書きつづる

その猫を保護した頃は小学校6年生の頃。

わたしの住んでいた地区は団地が密集しており、とにかく野良猫が沢山いた。

野良猫だけじゃなくて、半放し飼いの猫たちも沢山いたので、それはそれは猫がどんどん増えていくわけです。

そんなことだから「拾ってください」と書かれているダンボールに入れられてる猫が、小学生の通学路のルートによく置かれていた。

今になって思い返せば、完全に小学生をターゲットにしていたんだと思う。

だいたい朝方にダンボールの中にいる捨て猫を見ても、小学校から帰る時間になったら拾われていたのか、自力でどこかに行っていた。

そんないつもの日常的な風景が肌寒くなってきた10月頃に遭遇した。

それは学校から帰宅途中で捨て猫がいる!と友達が言っていたので、ネコ好きの私はその猫を見に行きました。

自転車置場の隅っこの方にダンボールが置かれていて、中には牛乳と猫缶みたいなものが入ってた。猫はみーみー鳴いてた。凄くよく鳴くし、誰か拾ってくれるだろうとその日はそのまま家に帰りました。

次の日の帰り道、そういえばあの猫はどうなったんだろ?と思って自転車置き場の方に行くと、その猫はまだダンボールの中にいた。

体温がすごく下がっていて、目も半開き。
身体も冷たくなっていて下半身なんか凍っているみたいにカチコチに硬直していた。

こんな寒い中、孤独に包まれながら死ぬのはかわいそう…

そう思ったわたしはせめてこんな寒い外で死ぬのではなくて、暖かい場所で死なせてあげよう。と家に連れ帰りました。

いつもは猫を拾っても返してきなさい!と怒る母親も、今にも死にそうな子猫を見て承諾してくれました。

タオルをかけてあげて、座布団の下にホッカイロを敷いて、その日は眠りました。

瀕死の猫が覚醒

母の話ですが、私達子供が寝静まった後、リビングで本を読んでいると

っさっ…っさっ…っさっ…っさっ…っさっ…

と今まで聞いたことのない音が耳の中に入ってきて顔をあげると、下半身が硬直したまま上半身の両手を使い、瀕死の猫が這いずっていたそうです。

ひとまずは命の危険は去ったものの…そんな状態の猫がすぐに回復するわけもありません。

この子が元気になるまでうちにいさせてあげて!と妹と必死のエールを両親に送り、瀕死の猫を介抱してあげることに…

子猫の名前をミュウにする

この子猫を拾ってからすぐ、初代ポケモンのミュウを友達からもらえたことによって、この猫の名前は「ミュウ」と命名されてしまう。

ちなみに時代はポケモン赤と緑が販売されてゲームボーイを持っていない人はクラスで会話に参加できないレベルでポケモンブーム。

まだ青とかも出ていなかったので、純粋に赤と緑どちら選び、バグだらけだった初期ロムはミュウを量産し放題だったが、ミュウをバグで手に入れる方法を知っているのは限られたごく一部の上流階層の人間のみ…

わたしはミュウの手に入れ方を知りはしなかったが、友達にミュウをもらい、クラスでは指折りの権力者になれたのでした。

多分、ミュウをもらえたっていう事実が嬉しすぎたんだと思う。

そんなミュウを家族で世話をしていると、最初は飼うことを反対だった両親も、子猫の悪魔的な可愛さに既に心を掴まれており、以後22年間うちの家に住んでいる。

 

もはや、猫又のミュウ

猫は15年だかなんだか生きると猫股になって人間の言葉を喋るというが、うちのミュウは人間の言葉は喋らない。

しかし、年齢が年齢なので夜鳴きが凄いっていうより酷い。

朝方5時過ぎになると父の部屋に行って

「ん”な”ぉ”ぅぉーー!」

「ん”な”ぉ”ぅぉーー!」

と鳴き叫ぶ。

誰かが家に帰ってきてもめっちゃ鳴く。

ミュウが鳴く時は

1.ご飯ちょうだい!

2.だっこして!

3.おしっこしたよ!

4.うんちしたよ!

 

マジでこれくらいしかない。

もっとあるのかもしれないけど、いずれも同じ「ん”な”ぉ”ぅぉーー!」という声で鳴くのでさっぱり区別が付かない。

猫界の七不思議…ミュウの食生活

この項目を見た人は絶対に真似しないで欲しい。
そして、子猫の時から食事、水に気を使ってあげてください。

 

ミュウは22歳になるまで、大きな病気には一度もかかっていない。

それもこれもこのプレミアムフードのお陰!じゃ~ん!

なんてことはなく、ミュウはビックリするくらい偏食家だ。

どのくらい偏食家か知ってもらうためにミュウが食べるものを説明させてもらおう。

シーバマグロ味(食べて1日1袋)

かつおぶし(人間用)

ちゅーる(一般食)

開けたての猫缶(マグロ味以外食べない)

塩サバ(素焼きは食べない)

猫に対する虐待か!!!許さん!!!!

もっと猫の知識をつけて猫を飼え!この猫虐待者!!!!!

と思われるかもしれませんが、ミュウの食生活を改善するためにかなり頑張っていたんですけど、ダメでした。例えば…唯一まともなシーバもかつおぶし(人間用)がかかっていないを食べてくれません。

どのくらい食べないかと言うと、1週間単位で食べずに、胃の中で吐くものがないくらいまで吐いて、最後らへんは緑色の胆汁を吐いて、栄養失調で病院に運ばれるほど飢えても食べない。

総合栄養食の猫缶もあげるのだが、自分が好きじゃない猫缶は食べない。

無理やり口の中に入れても

 

「こいつ…!殺す気か!意地でも食わんぞ!!はよモンプチのマグロ味もってこい!」

 

と、変なスイッチが入ってしまい食べない。

そして猫缶も総合栄養食は好きじゃないらしく、一般食や間食などの缶なら食べる。

塩サバは塩分ゲキヤバだから、母がわざわざ素焼きをミュウのために焼いて、お皿であげるのに素焼きじゃなくて、食べ残しの塩サバを食べたり…。

猫缶も開けて食べさせてあげると半分くらいは食べるけど、開けてからしばらく立ったものをあげると食べない。

チンして暖かくしてもダメ。開封して時間が経ったらもう食べ物として認識してくれない。

で、結局いつも通りかつおぶしをバッサァとかけたシーバをあげるとモクモク食べる。

これを何度も辞めさせようとしても、栄養失調になって病院に行く馬鹿な猫なので、家族も獣医師も「この子は早死するだろうけど…好きなように生かしてあげよう」と匙を投げたのですが、、、22年も生きています。

さすがに腎臓を悪くして血尿を患ってますが、老猫と腎臓病は切っても切れない関係ですし、まぁもう仕方ありません。

ちなみに高いプレミアムフードはいくつかあげてみたけど、1mmも食べてくれませんでした。

缶詰めも最初は食べてくれましたが…2缶目から飽きたのか食べてくれず、ジャンクな猫缶ばかり欲しがります。

うちの子は完全なイレギュラーな猫ですが、こんな偏食の猫でも22歳まで生きたんだから…巷で猫の健康のため!と銘打って販売されているプレミアムフードなんかなくとも、全然大丈夫なんじゃないかな。って思います。思い返せば体に悪いもんしか食べなかったなこの猫。

老猫になると、食欲も減ってくるし、水を飲む回数も減ってきます。
だから食事の中で水分が摂れるように毎日猫缶をあげたりして、こまめに水分あげないとですね。

ここ数年はそれを意識しながら猫缶は毎日1缶両親に言ってあげてもらっていたけど、さすがにミュウも老いで弱ってきた。

この1週間ずっと眠っているし、一日の食事もちゅーる1本食べるか食べないか。シリンジで水は与えているけれど、日に日に水を欲しがる回数も減ってきた。

もうそろそろでお別れの時間だと覚悟は決めているけれど、寂しくて寂しくて仕方がない。

歩くこともおぼつかなくなってきている。

ミュウは苦しくないんだろうか。

なにかして欲しいことはないんだろうか。

なにか食べたいものはないんだろうか。

水はもういらないんだろうか。

 

考えても考えても考えはまとまらない。

 

抱き抱えてあげた方がいいのか、そのままいつもの座椅子で寝かせていたほうがいいのか…

どうか苦しまないで眠るように天国にいってほしい。

保護猫
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子猫拾ったドットコム

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